シリウス

シリウス「時の旅人」第9章

2019年〜2020年までのお話。

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SGMのワークショップは、

自然の豊かな千葉県と茨城の県境にある、

ホビットハウスの様な、古民家で開催される。

東京駅から、随分長い間、電車にガタゴトと揺られ、

最寄りの駅で下車をした。

駅の階段に塗られたペンキは所々剥げ、赤錆が覗いていた。

僕は、瞑想の伝授(プージャの儀式)に必要は、花束を片手にもち、

階段を下っていた。

無人駅で過疎化が進んでいるのか、随分と草臥れた駅の様に思えた。

駅前のロータリーには、人の気配が感じられなく、

事前に調べたのだけれど、バスは2時間に1本程しか走っていない様だ。

でも、バスの停留所の待合室の、

すぐそばには、タクシーが一台止まっていた。

タクシーの前で、ポケットを手に入れ、

美味しそうに煙草をのんでいる運転手さんに、

郊外の民家まで連れて行ってくれますか?

と尋ねたところ、

このタクシーは、地元の人たち送迎の専門だから、

申し訳ないけど、乗車は出来ないよ、と教えてくれた。

街の予算が減り、バスの本数が削減されので、

地元の人たち専用のタクシーだと言った。

タクシーの運転手さんと、会話をしていると、

駅の階段から一人の男性が降り、

こちらにやってっくるのに気がついた。

彼も、僕と同じ様に花束を片手に持っている。

プージャの儀式に花と果物は必須なのだ。

神への供物である、花、果物、火、聖水の揃わないプージャは、

種のない果実の様に、意味をなさないのだ。

彼が手にしている花束を見て、

彼はもワークショップに参加するに違いないと確信した。

「もしかして、SGMのワークショップに参加されるのですか?」と僕はたずねた。

「そうですよ」と答えた。

薄手のトレンチコートを着ている彼は、

スラッと細身で、肩幅はガッチリとしていた。

肌は白く、なんだか神社の神主さんが、

都会に抜け出してきた様な人だった。

そして、私の宇宙の歯車は、前後にギシギシと激しく

前後に揺れながら、

まるで、人生の裂け目のようなジャングルの奥地に

臨時にかけられた、吊橋を渡り始めた様だった。

起こるべきことが起こると、魂は喜ぶものだ。

会うべき人が自分に前に現れると、人生も捨てたものではない…と

感じるものだ。

でも、僕が、これから出会おうとしている人々は、

僕にとっては、とても大切な人々であり、そして、僕の数々の人生を狂わせた人でもあるのだ。

良いかな?人生とはそんなものだ、スリリングでエキサイティングな物語の方が、楽しいのではないか?

間違いというものが、人生の選択肢にないのであれば、

これから、起こることに身を委ねてみれば良いのでは、ないだろうか?

僕は、人生を委ねているつもりは、全然なかった、

でも、自分のハートが喜んでいることは、わかった、だけれども、ハートで選択したことと、理性が考えることが、真逆だったりすることも、

あるのではないだろうか?

トレンチコートを着た彼とは、

初対面なの意気投合した。旧知の仲の様に思えた。

まるで、僕達が同じことをいつも、考えていて、

人生と呼ばれる迷宮の、枝葉に別れた葉脈が、

偶然重なりあった様な、そんな不思議な出会いだ。

”こんにちは、私の愛しい人よ。

あれから、何千年もの月日は経ったのだけれど、

あなたは、いつも変わっていないようだね。

いつの日か、もっと身近に私達のことを

感じることが出来る様になれば、

いったい、親愛なるあなたに、何が起こったのかを

分かることが出来る様になるよ。

それまでは、秘密は、秘密で、

しまっておくと良いでしょう”

彼と話していると、

マスター・ババジへの想い、

インド哲学、サーンキヤの教えのなど、

どこか僕の魂が遠くに忘れてしまった、

懐かしい、太古の記憶が蘇ってくる様で、

とても、不思議な感覚がする

それは、まるで、偶然と運命と宿命が

複雑に交差する街角で、

出会った女の子の表情を思い出す様でもある

なぜだろう?

人生で、いままで、マスター・ババジや

サーンキヤの教えを意識したことは、

一度もない…

その言葉の深淵なる輝きは、

とてもすすぐったく、甘い響きの様に感じる。

先生の名前は、山鹿先生と言った。

山鹿先生と僕は、ワークショップのお昼やすみに、

他の参加者をそっちのけで、「悟りに」ついて、

二人で熱く語り合った。

周囲の人たちは、意気投合ふたりをみて、唖然としている。

魂は、死なない。永遠の魂は、死ぬことはないのだけれど、

傷つくことは、あるのさ

何百万年もの、気の遠くなるほど、昔と呼ばれる未来から、

聞こえるのは、”帰還”というメッセージだ。

私達は、死ぬことはないのだけれど、傷つくことはあり、

どこか懐かしい記憶は、必ず私達の中に眠っていて、

その香りを辿ってゆくならば、故郷へ帰還することが

できるのだ。

もっとも、自分の戻るべき、場所がまだ残っていればの

話しなのだけれど。だけれども、希望を繋ぐのは良いことだ、

過去に希望とう種をまけば、かならず、未来が良くなるものさ。

僕には、

過去と未来と今が同時に視えている。

輪廻を越えて、生きるのが、目的なのだから。

ワークショップへの参加は、不思議な出会いに満ちていた。この時に出会った仲間と、これから、しばらくの間、

運命と宿命と無限の可能性に満ちた、人生を共に歩むことになった。

シドニーへ戻り、エンジニアとしての仕事が始まった。

仕事は、大手企業のPOSシステムの開発だった。

50人ほどいるエンジニアのうち半分は、

中国系の人たちで、残りの半分はインド人だった。

日本人は僕だけだったが、

僕の過去生の魂の流れが、インドだったせいか、

ランチタイムは、インド人のグループに混ぜてもらい

食事を共にした。

昔から、インド人と縁があるのは、偶然とは思えない。

不思議と、ピンチになると彼らが現れ助けてくれるのだ。

そうだ、僕にはクンダリーニヨガの先生から、

もらった、スピリチュアル・ネームがあった。

僕のインドの名前は、”シムラン”だと、インド人にみんなに伝えると、

どーっと笑いがおきた。

「女の子みたいな」名前だな、と反応が帰ってきた。

これから、あなたのことを”シムラン”と呼ぶわね、と一人の女性が言った。彼女の名前はインディ。

無機質なオフィスで、緊張しながら、

複雑な仕様書とにらめっこしていると、気がめいり、

逃げたしたい気分で一杯だった。

まるで、駆け出しのSE時代に戻った時の様な仕事だった。

20年前は、若くで元気だっけど、

いまは、パニック発作持ちの、ベジタリアンだ。

何か大きな、岩と岩の裂け目にはまり込んでしまった様な

気分だった。

果たして、僕は…ここから、抜け出すことは出来るのだろうか?

人生とは、果たして、ラビリンス(迷宮)という意味だったのだろうか?

30分、仕様書を眺めていると、時折気が遠くなった。

外の新鮮な空気を吸わなければ、

また、職場で倒れてしまうのでは?と思った。

今の自分と、20年前の自分は、まるで、違う人物なのに、

またしても、同じ仕事に就いてしまった。

1年程前、シドニー在住の占い師に、

僕の仕事運について視てもらったことがある。

あと数年は、無職で過ごした方が良いとアドバイスをくれた・

なんでも、今、掴む仕事は、すべて人間関係に難があるのだと

教えてくれた。

だけれども、家族からのプレッシャーもあり、ジョンの祝福ももらい、

仕事をなんとか見つけたのだから、贅沢なことは言ってられない。

僕には、なぜか二人の上司がいた、

ともに大柄なブラジル人で、

柔術で黒帯を持っいる有段者だったから、

筋肉隆々で立派な体格をしていた。

きっと僕が、戦いのテーマを持つ魂だったから、彼らを引き寄せたのかもしれないな、と思った。

悪い人たちではなかったが、感情の起伏がとても激しい上司達だった。

ある時は陽気でも、次の日には、

キーボートをテーブルに突然投げつけ、大声で怒鳴っていた。

大手フランチャイズ・レストランの下請けソフトベンダーだったので、

とても過酷な労働環境にあった。

安い賃金で、プログラマーが倉庫の様なオフィスに集められ、

ボロ雑巾の様に上司に使われていた。

正直、奴隷船の船底の様な、職場だった。

初めて参加した、クライアントとのミーティングで、

インド人の女性クライアントから、

「納期は6ヶ月も遅れているのよ!どうしてくれるの!」と

罵声を浴びせられたのには驚いた。

日本のクライアントからも同様に、入社の初日から叱咤された。

どうやら複雑な人間関係が裏にあり、

上司には嫌いな人がいるので、その人に退職圧力をかけ、

僕がその穴埋めになるのだと、聞かされた。

まるで、蟹工船の様な職場だった。

納期を間に合させるために、屈強なブラジル人上司が、

船底から疲弊した中国系のエンジニア数人を

東京のクライアントのもとへ何度も輸送した。

家族の為とはいえ、職場に足を運ぶのが、本当に嫌だった。

サラリーマン生活に戻るなんて、

僕のスピリチュアルなジャーニーに、蓋をされた様に思った。

”そんな状況でも、宇宙はいつも仲良くしてくれるものさ…

あなたが心を開けばね、の話しだけれども、

いつも、サインはあるはずさ、

それは、良いサインかもしれないし、

悪いサインかもしれない、

でも、その点々とつづく、滲みの様な、点を追いかけてゆけば、

必ずどこかには、辿り着くんじゃないかな?

何もせずに、箱の中に入っていても、人生は終わるし、それなりに楽しいだろう、

箱の外に出ても、結局は人生は終わってしまう。

最善の人生なんて、本当は、ただの幻想なのかもしれないね。

でも、歩き続ける限り、必ずサインはやってくるはず…なのさ”

そんな宇宙の図らいもあってか、

僕のすぐ隣の席には、インド人の女性が座っていた、

彼女の名前は、インディプリー、”インディ”と

みんなに呼ばれている。

とっても、おっちょこちょいで、

僕が職場にいた数ヶ月の間に

マグカップに並々と注がれたコーヒーを

ガチャンと派手に2回もノートパソコンの上に

こぼし、パソコンを壊してしまった。

彼女がそうそうを「キャー」と悲鳴をあげると、

ブラジル人の上司が彼女のもとに

飛んでやってきて、

「怪我はなかいったかい?お嬢さん」と

感情豊かに話しかけるのが、とても印象的だった。

ブラジル人は、単に、感情の豊かな人たちなのだと思った。

僕が、入社した当日、隣の席にいる、ご近所のインディは、

机の傍らまで、椅子に座ったまま、足で押しながら、やってきた。

そして、僕の顔をまじまじと見てこう言った。

「あなた、瞑想やってるでしょう?」と彼女。

「え? そうだけど…なぜ分かったの?」

「顔がピカピカしてるわよ」

「昔、親戚の叔父さんが瞑想とヨガをやってたんだけど、

あなたの雰囲気、オジサンにそっくりなのよ」と教えてくれた。

意外な出来事に僕は驚いた。

ITの職場は、冷たくてギスギスした印象だったけど、

こんな職場にも、天使はいるのだと…と嬉しくおもい、

仲間が出来たことを喜んだ。

彼女は、僕のことをシムランと呼んでくれた。

インディが、瞑想を教えて欲しいというので、昼休みに二人で、近くの公園に行き瞑想をしたりした。

大変な仕事だったけれど、人と繋がることは悪いことではなかった。

エンジェルナンバーも頻繁に現れた、

レシートの番号が、

毎回1111・4444・1144だったのには、驚いた。

神さまは、僕のことを見捨ては、いないんだ…と思った。

でも、本当にこの職場にととまり続けることが、

僕にとって、最善のことなのか、疑問だった。

入社してから、徐々にストレスが溜まってきた。

毎朝、4時に起床して、ヨガのクリアをやり、瞑想をして、

職場に向かった。

新しい仕事に早く慣れようと、

週末も仕様書を読み込んでいた。

だけれども、慣れない仕事のせいか、疲労が次第に溜まってきた。

真夜中にパニック発作が起こり、頻繁に目が覚める様になった。

まるで、3年前の不健康な自分に逆戻りしたかの様だった。

やりたくない仕事、

でも、家族を養わなければならない責任、

でも、本当は、瞑想とヨガの先生になりたい、

スピリチュアルな生き方をしたいと思う気持ちの

板挟みになっていた。

入社してから、3ヶ月が経過したある日。

職場で緊急案件をまかされた。

問題が発生しているので、大至急、設計変更が必要だと上司から言われた。

前任者が設計した内容を理解しながら、仕様を変更しなければならない、午後5時までには、クライアントに提出しする様にと言われている。

想像以上に複雑で、パソコンに向かうだけで、

気分が悪くなり倒れそうだった。

本当に、僕は…この仕事を続けるのだろうか?

仕事に集中することは出来ず、仕事を辞めるべきか?

でもお金はどうするのだ?と何度も、何度も頭の中で繰り返し思った。

頭の中がグルグルと押し問答を続ける、顔からスッと血の気が引き、パニック発作おきそうだった。

このままでは、また倒れてしまう…と思った。

仕様書のドラフト版を完成させると、

結論部分の最終の値が、09090909と導き出されていた。

緊急の案件なのは分かるけれど、

僕の、体がこれ以上、持たないのは明らかだった。

早朝からヨガと瞑想もやり、ジョンからも仕事が上手くいく様にと、

祝福をもらってきた。

これ以上、僕は、どんな努力をすれば良いのだ?!と思った。

…もう限界だと思った。

僕は、職場の人事の女性に

「体調不良なので、早退します…」と告げて職場を後しにた。

無機質なオフィスのエントランスを出ると、正直ホッとした…

でも、これから僕はどうしたらいいのだろう?と思った。

悪いことは重なるもので、駅に向かう途中の駐車場で、

喫煙中の上司とバッタリ出くわした。

緊急案件を僕に依頼した上司だった。

「おい、逃げるのか!!」と、彼はすごい剣幕でまくし立てた。

その場を早足で逃げ切る様に足し去った。

なんてタイミングが悪いのだろう?と僕は思った。

翌日、退職届の上司の机に置き、

逃げ出すように職場を去った。


もちろん、自宅への足取りは重い。

<続>

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ホメオパシーでスピリチュアルに覚醒した私

オーストラリア在住21年の筆者が、自然療法であるホメオパシーでパニック発作を治療したところ、苦難の末、壮大な一瞥体験をし、2015年にスピリチュアルに覚醒した体験記。

”冗談だろう? 人生って、ジョークだったのか? あまりの可笑しさに、僕は笑いが込み上げてきた。 僕たちは、人生というドラマの傍観者だったのだ。でも、そこには愛が満ち溢れている。 いや、どこもかしこも、愛でギッチリ溢れているのだ。” 〜本文より〜

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