本物の龍使いとしての、
僕の魂を表現した物語
それは、武を通した悟りであり
それは、日本創生の物語である
虹色の飛龍

拙書:虹色の飛龍から引用
“斬れ、龍一!”
卑弥呼は、傍らで様子を見ている。
“お前にしか出来ぬ!”と
爺さんは、畳み掛ける。
龍一の足元には、
ヒムカと出雲の龍の屍の山が
築き上げられている。
“お前が敵と向き合う時、
一体、誰と対峙しているのだ?”
“お前が剣を振り下ろす時、
誰が振り下ろしているのだ?”
“龍一!
もう一度聞くぞ・・
誰が病人を施術しておるんじゃ?”
“誰が、やっているのだ?”
「誰が・・やっているのか・・」
龍一は、爺さんの言葉を反芻した。
「いつか、通った道・・」と龍一は、思った。
龍一は、
ゆっくりとスサノオの剣を引き上げた。
剣の先端からは、
妖艶な糸がひいている様に見える。
彼は、剣をただ構えているのではない。
宇宙の流れの中で構えている、
宇宙の進化の流れの中で、
起こっている。
動作に一切の無駄がなく、
完璧であり、
すみずみまで、周到に準備され、
緻密に作り上げられた世界であり、
そこには、
調和があり、
静寂があった
拙書:虹色の飛龍
Amazonにて発売中